●本棚ももう溢れそうだし、置く場所もないし、蔵書の一部を手放そうか。
●故人が残したたくさんの本。大事に扱ってくれるだろうか。
●少し入り用だけれど、この本、高く売れるんじゃないだろうか。
●引っ越しで本の整理がしたい。
などなど、古書・古本を整理したい理由、本を手放す理由は様々だと思います。
ただ、
できるだけ高く売れた方がいい。
なるべく大事に扱ってほしい。
本が今後も誰かの役にたってほしい。
こういった思いは皆さん一緒ではないでしょうか。
でも、どこに依頼したらいいのか。どの古書店にお願いしたらよいのかわかりませんよね。
もちろん、買い取りを依頼する古書店で、その値段もずいぶん変わってきます。
ところで、古書古本の買取の値段、持って行くお店で大分値段が違うことをご存知でしょうか。買取をする本の量が数十冊でも、●千円、もしかしたら●万円も古書買取価格が違ってくることもあり得ます。
引き取ってもらう本の量が多ければ、それ以上の差が出てくるかもしれないのです。
たとえば、大手チェーン店などでは、出版された年で画一的に本の販売値段が決まっています。買取の値段も同じです。
最近の本なら高く、そうでなければ安い。そういった決め方です。
これは、専門家でなくアルバイトでも本の買取ができるため、お店からしてみれば便利な値段の付け方でしょう。
ですが、本来もっと高い値段で買取できたはずなのに、、というケースも多くなってきます。
もちろん、自分や自分の大切な人が大事にしていた本を、画一的に扱ってほしくはないですよね。
さて、画一的でないとしたら、古書古本の買取の値段はどのようにして決まるのでしょうか。
それは、極論で言えば、本の内容や、その本を必要にしている人がどれだけいるか、ということで決まるといえます。
絶版になっている本で、定価よりも高く取引される本もありますし、
戦前の本や資料などは、資料的な価値が高いものもたくさんあります。
また、ベストセラーではないけれど、昔から長く版を重ねている定番の本は、古くても思ったよりも値段が付く場合もあります。
もちろん逆に、ある時期ミリオンセラーになった本というのは、ある時期をさかいに需要がなくなるにも関わらず本は大量に流通しているため、比較的新しいのに、思ったより値段が付かない場合があります。
このように、古書古本の買取には、専門的な知識が必要なのです。
古書古本の専門店であっても、希少価値のある本をそうと知らずに適正な値段で買取を行ってしまう場合もあるでしょう。
(もしかしたら、知っていても適正な値段を付けない不誠実なお店もあるかもしれませんが、、)
また、その本を必要としている人が多く集まる場所であることも大切です。
例えば、私たちが店舗を構える神田神保町は、世界的にも類を見ない古書街です。他ではあまり売れないような本もたくさん売られていますし、様々なお店がひしめいていますから、多様な人が集まります。本店のある池袋も、近くに大学があり専門書が良く売れています。
また、神保町には古書会館という建物があり、日々、古書の市場が開かれています。ここでの取引の値段が、販売価格に関わってきますから、そういった情報に日々触れているということは、古本買取の値段にも当然影響します。
もし私が本の整理をどうしようか悩んでいるあなたの立場なら、神田神保町の古書店に依頼すると思います。あれこれ悩むよりも、そのほうが確実だからです。
そして、整理したい本のジャンルに合ったお店を選ぶと思います。やはり古書店のなかでもジャンルの得意不得意があるからです。
もし、ジャンルに合ったお店が自分ではわからない、といった場合は、多くの販路を持ち色々なジャンルを扱っているお店を選ぶと思います。
例えば、故人の蔵書を買取してもらいたいけれど、と思っているうちに数ヶ月たったりしたとします。本は書斎にそのまま置かれたままです。紙は自然素材ですから、経年変化によって痛んだりもします。そして、あまり開け閉めしない部屋に置かれた本というのは思いのほか経年変化が進んでしまうこともあります。
買取のときには、やはり痛んでいないほうが高く買取できますし、その後誰かの手に渡るときに、より役に立つのではないかと思います。
本には、それを著した人の思いはもちろんのこと、それを持っていた人の思いも詰まっているように思います。
そして本は次世代に文化を伝えていきます。
ですから、古書古本買取をお悩みでしたら、なるべく本を大切に扱ってくれるお店、そしてなるべく適正な価格で買い取りをしてくれるお店を選んで欲しい。
そういった思いで、色々と書かせてもらいました。
参考になりましたでしょうか。参考になっていれば幸いです。
もちろん、当店にご相談頂ければ、尚幸いです。
(夏目書房店主 夏目滋)