1928-2006 日本(山口)
1951年に上京、向井潤吉に師事。53年、読売アンデパンダン展に出品。58年第13回行動展に「動」「落石」を出品し、行動美術賞を受賞。翌年同会会員となる。63年に渡欧、翌年当時パリで活躍中であった菅井汲のアシスタントとなりアトリエに通う。73年頃からアンフォルメルの抽象表現主義的作風から幾何学的抽象へと作風が変化し始め、後年田中の主要モチーフとなる円が画面に登場するようになる。以後、モンゴル、シベリア、ラダック、新疆ウイグル自治区を訪れ、大地と空のみの空間体験を重ねる。これらの体験により、画面を構成する幾何学的円が具象性を持つものとなる。最初期には具象的風景画を描いたが、まもなく色彩と有機的なかたちで画面を構成する抽象画へと移行し、70年代後期から円を主なモチーフとした明快な色面による幾何学的抽象絵画を描いた。