これから月に1,2度のペースで当店在庫の特選品について書いていきます。
今回は棟方志功の傑作版画集「妙肌韻板画柵」についてです。
棟方志功は1枚物の版画の他に数々の版画や肉筆画が入った画集を残しています。
河井寛次郎の詞に44図の裏手彩色木版画を挿入した「火の願い」、
自筆の表紙絵ですべて異装である「板頸 私家版」、
堀口大学の訳詩集に手彩色画集を別冊として付けた「ヴェニュス生誕」、
手摺木版画12図で構成された「鯉雨 特製版」、
江戸川乱歩の作品に10枚の手摺木版画を入れた「犯罪幻想」、
そんな中でも「妙肌韻板画柵」はトップクラスの特製本です。
棟方志功の絶頂期である昭和35年に森口太郎により萌木社から刊行されました。
限定30部と限定100部の2種類がありますが、共に14葉の手摺木版画が挿入されており、その内の5葉に手彩色が施されており、全14葉の作品全点にサインがあります。
棟方志功の版画集で版画全点にサインが入っているものは非常に珍しいです。
限定30部本だけが、帙の装丁が裏手彩色入りの手摺木版画装になっています。
1枚、1枚の版画の完成度は高く、小品ではありますが志功作品の中でも最も人気の高い「大首の図」も含まれています。
棟方志功鑑定委員会の方針で、ここに挿入された作品1枚づつにはシールはつきませんが、1冊の版画集として鑑定書が発行されます。
市場価値でいうと、もし1枚づつにシールが付けば、2~3倍の値段が付くと言われています。
当店では、この他にも棟方志功の1枚物の版画や版画集を探しておりますので、もし皆様のお手元にあれば、誠意をもって買取いたしますので、是非ご連絡ください。