POP ART| 4代目の古本屋修行日記 | 夏目書房・ボヘミアンズギルド 古書・古本・美術品買取[神田神保町/池袋]

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POP ART

どうも。
今回ご紹介するのはPOP ARTポップ・アート)です。
ウォーホルバスキアキースヘリングなど様々なアーティストが名を連ねていたポップ・アートの世界を今回は調べました。

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まず初めにPOP ARTポップ・アート)とは、現代美術の芸術運動のひとつで、大量生産大量消費社会をテーマとして表現しています。雑誌や広告、漫画、報道写真などを素材として扱っていて、1950年代半ばのイギリスでアメリカ大衆文化の影響の下に誕生しました。そして、1960年代にアメリカでロイ・リキテンスタインアンディ・ウォーホルなどのスター作家が現れ全盛期を迎え、世界的に影響を与えたと言われています。

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最初にポップ・アートが盛んになったのはイギリス(特にロンドン)でした。
豊かなアメリカ文化が第二次世界大戦後の疲弊したイギリスに急速に浸透し、若者を夢中にさせていた広告やSFや漫画や大衆音楽などのアメリカ大衆文化に現代を見直す新しい素材を提供するものとしてどんどん活用しようという発想がありました。
このようなことがあり、ロンドンで『これが明日だ』展が開催されました。
ここで発表されたリチャード・ハミルトンの作品一体なにが今日の家庭をこれほどまでに変化させ、魅力的にしているかは、雑誌や広告の魅力的な商品やゴージャスなモデル写真を切り貼りしたコラージュで、ポップアートの先駆的作品といわれています。特にボディビルダーの男性が持つロリポップキャンディーの包み紙の「POP」の文字が強い印象を与えました。ハミルトンは翌年、この展覧会を振り返ってポップ」(大衆文化)を次のようなものだとした。

通俗的、一過性、消耗品、安価、大量、若々しい、しゃれた、セクシー、見掛け倒し、魅力的、大企業

イギリスのポップアートは1961年、デイヴィッド・ホックニーら多くの若い美術家が出展した『ヤング・コンテンポラリーズ』展で全盛を迎えました。

Hamiltonpop-1いったい何が今日の家庭をこれほどまでに変化させ、魅力的にしているか

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実際にポップアートが盛んになったのは、ポップの元となる商品や大衆文化の発信地、1960年代のアメリカ(特にニューヨーク)です。戦後のイギリス人にとってはアメリカの格好いい商品や大衆文化は眩しいものでしたが、アメリカ人にとってはどこにでも売っているただの日用品で日常風景の一部であり、むしろ格好悪い物でした。ただ当初はそれを美術に直接使うことは、アメリカの芸術の前衛にあったモダニズムの立場や保守的な観衆から思わぬ強い反発を受けました。


ニューヨークでは1950年代以来ジャクソン・ポロックらに代表される抽象表現主義が全盛を極めており、人間より大きなキャンバスに色彩を展開させ、始めも終わりもない抽象的な色面で全面を覆うオールオーバーな絵画が主流を占めていました。

これに対し、1950年代末にロバート・ラウシェンバーグジャスパー・ジョーンズらが、廃物や既製品のがらくたなど現実から持ってきた物体を絵に貼り付けたり、標的や数字や星条旗の図柄などおよそ絵にはならないありふれたイメージを描き始め、モダニズムの好む「グッド・デザイン」に反するような行動を始めました。
ポップアートにはその辺にある既製品をそのまま使用して芸術とするレディメイドの手法など、ダダイズムや反芸術が強く影響していたため、彼らのようなアメリカのポップアートの作家は、しばらくの間は「ネオダダ」とも呼ばれていました。既製品や既成のイメージを使った彼らネオダダは、抽象表現主義に取り組んでいたアーティストや抽象表現主義に飽き始めていた観客らに衝撃を与えていました。

その後、1960年代に入りアメリカのポップアートの代表格ともいえるロイ・リキテンスタインと、商業デザイナーであったアンディ・ウォーホルの二人が、コミックスの拡大模写によって世に出ました。大量に印刷され、絵柄も似たり寄ったりの漫画は、既製のイメージの中でも最もキッチュで悪趣味なものではあるが、単純で力強い線などが魅力的であり「グッド・デザイン」を粉砕する威力がありました。アンディ・ウォーホルはその後キャンベル・スープの缶、ブリロ(洗剤)の箱、マリリン・モンローなど女優や有名人の写真などいたるところにあるイメージを用いた版画を大量生産しました。1961年に渡米していたローレンス・アロウェイがアメリカにポップアートという言葉を紹介し、これらの傾向の呼び名になりました。

ポップアートは映画や漫画などの大衆文化同様、観客の心を一瞬で掴む強い魅力的なイメージを持っているのでわかりやすく、しかもアメリカの大量生産品や大衆文化をテーマにしているため、アメリカの豊かさを賛美する魅力的な芸術として歓迎されました。逆にここからアメリカの大量生産品や大衆文化の悪趣味さや、商品を大量に消費し豊かになってもなお逃げられない死の影を見出す者もいたようです。

ウォーホルリキテンスタインらポップ・アートの作家たちは、カウンターカルチャーの時代における大衆絵画作家としても成功しています。ポップ・アートは、商品やメディアに囲まれて育った世代の若者の原風景であるスターや商品を魅力的に描いて若者に刺激を与え、その版画作品は熱狂的に受け入れられました。

そんな一世を風靡したポップ・アートもミニマルアートやアースワークに押され、美術の世界から急速に冷めていきました。

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