18世紀末からヨーロッパにおいて女性のヒステリー現象が盛んであり、
女性の社会における位置の変化を現していた。
そのヒステリーがくりひろげられる場であるメスメリズム、催眠術は、アカデミズムからは異端視されながらも、
その圧倒的な光景と、人に及ぼす力で注目されていた。
催眠をかけるための過剰な接触、性的雰囲気、いかがわしい興奮と熱気。
きわめて大胆なシャルコーの選択であった。
彼のおかげで、催眠は、物議をかもしながらも、パリでは市民権を獲得し、
臨床の場に大手をふって登場する機会が与えられた。
その機会に居合わすことができた一人にフロイトがいた。
―本書解説より抜粋―
アウラ・ヒステリカ パリ精神病院の写真図像集
J・ディディ=ユベルマン 谷川多佳子他訳
1990年/リブロポート
宗教的医術と近代医学の境界の時代に
撮られたこれらの写真はとても不気味で悲壮感が漂っています。
なんとなく黒澤清のCUREを連想させます。
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