東北での若冲展に関連してか、このところ浮世絵の展覧会図録がよく売れているようです。
ここでは日本ではあまり知られていない浮世絵にポップアートを取入れた現代美術の作家、寺岡政美(てらおかまさみ)を紹介いたします。
1936年広島県に生まれ、25歳で渡米した寺岡はロサンゼルスの美術大学を卒業します。1971年より浮世絵とアメリカ文化を融合したユーモラスでエロティックな水彩画『浮世絵シリーズ』で認められ、知り合いの子どもが輸血でエイズ感染したことにより、コンドームやエイズの恐怖をテーマに描くようになります。
ここでは初期の浮世絵シリーズをご覧にいれます。
「マクドナルド・ハンバーガー日本襲来/芸者と刺青の女」
「侍ビジネスマン ゴーホーム」
「ロサンゼルス寿司シリーズ/うに女と寿司シェフ」
「ハナウマ湾シリーズ/無秩序世界のアレゴリー」
「ニュー・ウェイヴ・シリーズ/エイト・コンドーム・ファンタジー」
「エイズ・シリーズ/サムライ・ツイスト」
実物は未見なのですが、水彩でうまく木版画調に表現しているようです。本当に美しい色彩で、タイトルもとてもユニークです。自分が不勉強のせいなのですが、絵のうしろに書かれた江戸文字がほとんど読めないのが残念です。読みたい。
さて現在、日本語で読める彼の資料はほとんどありません。
日本での展覧会参加は知るかぎり
●1994年 「人間の条件展」(東京/芦屋)グループ展
●1997年 「Lets Go 浮世絵 現代美術と浮世絵の交錯展」(東京/三鷹)グループ展
●1997年 「寺岡政美 浮世絵現代/歌舞伎からインターネットへ」 (長野/小布施町)個展 の三つ。
個展は長野で開催された一度だけです。
母国である日本で大きな展覧会が開催され、詳細な解説のついた書籍の販売を期待しています。
現在ボヘミアンズ・ギルドにはこの長野での個展のカタログを1冊のみ在庫しております。上記のリンクからご注文になれます。
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こちらで写真版の収録作家を紹介しています。
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