どうもこんにちは。
ただ今次号古書目録の編集中です。「ボヘミアン通信」39号ご期待ください。
さて、ボヘミアンズ・ギルドに60、70年代の雑誌がたくさん入荷しました。
とくに「デザイン」(美術出版社)、「グラフィックデザイン」(講談社)はかなりまとまっての入荷です。
せっかくなのでいくつかおすすめ号を。
▶「デザイン」
●デザイン 1967年5月号 No.96
特集:横尾忠則の人と作品
灘本唯人表紙デザイン 田中一光/原弘/木村勝他
1967年/美術出版社
●デザイン 1967年5月号 No.100
特集:宇野亜喜良の人と作品/真鍋博の眼・モントリオール万国博
神田昭夫表紙デザイン 木村恒久/山名文夫/草森紳一他
1967年/美術出版社
●デザイン 1968年11月号 No.115
特集:高梨豊の人と作品
福田繁雄表紙デザイン 永井一正/柳宗理/草森紳一/宇野亜喜良他
1968年/美術出版社
●デザイン 1969年5月号 No.121
特集:井上洋介の世界
山下勇三表紙デザイン 長新太/中平卓馬/寺山修司他
1969年/美術出版社
●デザイン 1969年8月号 No.125
特集:グラフィックデザインの変容 演劇ポスター
木村恒久表紙デザイン 中平卓馬/湯村輝彦/宇野亜喜良/多木浩二/横尾忠則他
1969年/美術出版社 少傷み
●デザイン 1970年6月号 No.134
特集:新宿・一番館と二番館
木村恒久表紙デザイン 多木浩二/早川良雄/草森紳一/粟津潔/中平卓馬他
1970年/美術出版社 背少傷み
●デザイン 1970年9月号
No.137 特集:万博にみるデザイン
木村恒久表紙デザイン 多木浩二/刀根康尚/草森紳一/亀倉雄策/原弘他
1970年/美術出版社
「デザインの現場」の前身ともいえる総合デザイン誌として1959年に「デザイン」は創刊されました。
パラパラとページをめくると、草森紳一「江戸のデザイン」や石子順造の「日本のキッチュ」、中平卓馬の写真論が連載され、北井一夫の「三里塚」や寺山修司の「プロヴォーグ」の書評が掲載されてたりとその時代の「今」がうかがえます。
▶「グラフィックデザイン」
●グラフィックデザイン85 Graphic Design
特集:A.M.カッサンドル
田中一光表紙デザイン 原弘/勝見勝/上條喬久/福原信春他
1982年/講談社
●グラフィックデザイン86 Graphic Design
特集:オリベッティ文化
田中一光表紙デザイン 原弘/勝見勝/ナサン・H・シャラピ/永井一正他
1982年/講談社
●グラフィックデザイン88 Graphic Design
特集:デザインの東西 亀倉雄策と大橋正
田中一光表紙デザイン 勝見勝/ヤン・ライリッヒ他
1982年/講談社
●グラフィックデザイン89 Graphic Design
特集:ロシア構成主義のポスター
田中一光表紙デザイン 木村恒久/長友啓介/スティッグ・ホグダル他
1983年/講談社
●グラフィックデザイン94 Graphic Design
特集:追悼・勝見勝
田中一光表紙デザイン 亀倉雄策/杉浦康平/岡本太郎/柳宗理/河野鷹思/ソウル・バス/他
1984年/講談社
●グラフィックデザイン98 Graphic Design
書物の〈脱構築的〉透視術・杉浦康平/モリスのタイポグラフィ
副田高行表紙デザイン 福田繁雄/杉浦康平/粟津潔/勝井雄三他
1985年/講談社
●グラフィックデザイン100 Graphic Design
総特集:年表・グラフィックデザイン
亀倉雄策表紙デザイン 田中一光/五十嵐威暢/麹谷宏/長友啓介他
1986年/講談社
デザイン評論家・勝見勝が編集長をつとめた「グラフィックデザイン」。一人のデザイン評論家によって独自のデザイン哲学の展開を雑誌という形態で25年もつづけたということは世界的にもまれなことなんだそうです。
1983年に勝見勝は亡くなり、「グラフィックデザイン」は1986年の100号をもって休刊というかたちで幕を閉じました。
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「デザイン」「グラフィックデザイン」ともに資料性も高く、こういうものをちゃんと目を通しておくと勉強になるんだろうなぁ…、という思いもありましてご紹介しました。
いまでは伝説となっている当時のデザインや写真なんかも含めたその周辺の今が詰まっていて、その時代や状況のなんというか、熱を感じることができます。
伝説みたいになっているものは案外、表現としては貧しさや滑稽さなんかもあって、それでいて異様なエネルギーに満ちていて…、ということを当時のものに触れると感じつつ、伝説として語るのってホントに胡散臭いですよね。
飲み屋にいる「昔ヤンチャしてた」 というオジサンくらい胡散臭いですよね。
ご興味のある方は「デザイン」「グラフィックデザイン」 どうぞこの機会に☟