こんにちは♪
今日は藤田嗣治のかわいい子どもたちを紹介したいと思います。
まずは「小さな職業人」から『Merdeuse』。
トイレの前で編み物・・・?
タイトルは当然、その職業に関係しているだろうと調べてみると
Merdeuse=「くだらない」。
思わず笑ってしまいました。
たしかにつまらなそうな顔をして毛糸を編んでいますね。
これは、編み物がくだらない仕事ということなのか、
仕事をすることがくだらないために編み物をしているのか。
想像が膨らむ面白い絵です。
机の上の食べ物も気になります。
続いて「四十雀」より『大聖堂』。
こちらも『Merdeuse』と同じく床が格子柄です。
またこのシリーズは、枠が切手のようになっていたりと
フジタのセンスが光っています✧
フジタが子どもの絵を頻繁に描くようになったのは、
第二次世界大戦後、フランス国籍を取得してからです。
戦時中のフジタは、積極的に戦争画を描きました。
初めは抵抗を感じていましたが
戦争画を描くことで、自分の絵に興味を持つ人が増える―
そのことが嬉しくて、夢中になって描くようになったと言います。
しかし敗戦後、戦争責任は日本画壇にもまわってきました。
異常なまでのリアルな戦争画を描いたフジタは、
画壇からあまり好まれていなかったこともあり
戦争画においてのすべての責任を押し付けられてしまいました。
画面上では分かりませんが、よく見ると小さな白い花が描かれていて
ただ士気を上げるためだけに描いたわけではないはずなのに・・・。くすん
そのショックから、逃げるようにフランスに戻り国籍までも変えてしまいました。
その後、宗教画や子どもの絵を描くのがフジタのライフワークになっていきます。
ひどい裏切りにあったことで、
決して裏切ることのないキリストや無垢な子どもたちを描くようになったのではないでしょうか。
子どもたちの何とも言えない顔つきは、そういったフジタ心境のを写し出しているのかもしれません。