前回も書きました通り夏目書房古書目録「ボヘミアン通信」34号を9月22日に出しました関係で、
ブログをかくのが、また1週間程度延びてしまいました。
目録の売上を見ていると、キビシイ現実を思い知らされます。
それでも、なんとか新しい作品を皆様にお届けできるよう頑張っていきますのでよろしくお願いいたします。
さて、もう1か月も前になってしまった「瀬戸内国際芸術祭」旅行の最終回です。
この間にNHKの「日曜美術館」でも特集をやっていましたが、
行けなかった他の島の作品などを見て、もう1日あればなぁと後悔。
我々の最終日は高松と丸亀の旅です。
前日の夜は宿泊したホテルの近くの居酒屋で名物の鳥のモモ焼きや鰹のたたきなどで四国を堪能。
朝、一人だけ早起きしてしまったので、ホテル周辺を1時間程散歩。
するとホテルから2~300m位のところに高松市立美術館を発見。
思いがけなく、「森村泰昌モリエンナーレ まねぶ美術史」が開催されていました。
4人でしっかりとホテルのモーニング・ビュッフェを食べてから、3日目の始まりは高松市立美術館に決定。
開館時間の9時少し過に入館すると、まだほとんど人はいない状態で、ゆったりと森村作品と、
その元となった「まねぶ」作品が一緒に展示されていて中々興味深いものでした。
一つ不思議に思ったことは、森村泰昌が「まねた」作品のほとんどが高松市立美術館所蔵の作品でした。
学生の頃から最近までの割と永いスパンの作品なのにナゼ?森村さんは大阪の人なのに。
高松市立美術館を見学後、車で今回の目玉の一つであった「イサムノグチ庭園美術館」へ。
予約制のため、約1か月前に往復はがきで日時を申し込んでありました。
約30分で周辺に着くと、町中に石材所が目立ちます。
矢印に沿って道を進むと小さな公園に併設された駐車場が。
その公園の遊具もイサムノグチのものでした。
少し歩くと受付棟があり、中に入ると予約時間の30分位前だったので5人程度の方が時間を待っていました。
「平日に我々以外にも、この面倒くさいシステムでも来る人がいるんだ」と考えていると、
どんどん人が来て、入場時間にはなんと60人程になっていました。
イサムノグチ、恐るべし!
学芸員の方の案内で、まずは作業場と展示蔵へ。
庭園が屋外の作業場になっており、制作当時のまま庭のいたるところに数10点の作品が置かれています。
なんと贅沢な空間。でも持って行きたくても重くて動きません。
蔵の中には代表作「エナジー・ヴォイド」「真夜中の太陽」などの大作がありました。
東京都現代美術館のイサムノグチ展で「エナジー・ヴォイド」を見ましたが、
それ以外の作品はここから出たことはないそうです。
次にイサムノグチが暮らした住居と月見などをしたという裏山へ。
あまり広くはありませんが、雰囲気のある和風家屋に何点かのイサムノグチ作品があり、
それを外光とイサムノグチの「あかり」がやわらかく照らしていました。
裏山は石による枯山水のような川と瀧。そしてこんもりした山。
数10mのものですが頂上からの眺めは最高にいいです。
イサムノグチもこの上で横たわるのがすきだったそうです。
3年程前に行った札幌モエレ沼公園のイメージにもつながります。
約1時間の見学を終え、うどんの昼食をとり、最後の目的地である丸亀の猪熊弦一郎現代美術館へ。
高速に乗り約1時間で到着。駅前に素晴らしい外観の美術館が現われました。丸亀市って、スゴイ。
猪熊制作の大きなオブジェをぬけると入口があり、館内へ。
2階と3階に猪熊弦一郎の作品が年代順に展示されています。
館内はあかるく猪熊らしい空間になっていて、ゆったりと鑑賞できました。
4階に上がると企画展「シッケテル キュピキュピと石橋義正」展をやっていました。
物語風のビデオ・インスタレーションなどの映像作品で結構楽しめました。
いよいよこの旅も終了間近。
最後は高松空港近くで名物讃岐うどんを堪能することに。
知人に聞いてきたうどん屋が定休日のため、Ipadで検索しましたが、
よくわからず空港のすぐそばの「なんとか製麺」へ。
製麺なんていうのがつけば間違いないと。
ところがあまりうまいとは言えず。これなら神保町の「丸香」のほうが100倍うまい!
最後に大失敗をして、高松空港から羽田へ。
いろんなところへ行きすぎて結構疲れましたが、非常に良い旅でした。
皆さんも期間中に行ければ、是非「瀬戸内国際芸術祭」へ!