抒情画や少女マンガにおける少女たちの手は、小さくて華奢なイメージがありますが
よく見ると意外にも大きく描かれていることが多いように思います。
これは、抒情画の第一人者である夢二の影響と言えるのではないでしょうか。
中原淳一は、こどもの頃から夢二の絵を好んでいたため、挿絵画家として活躍し始めた戦前は
単に夢二の手を真似ていただけなのかもしれません。
しかし、自分のスタイルを確立した戦後は、意識して大きな手を描いているように感じられます。
淳一は、戦争によって夢や希望を失ってしまった女性たちに、生きる希望を与えたい
という切実な思いから「ソレイユ」を創刊しました。
淳一は、自分の手で幸せを掴める女性になってほしい、という思いで大きな手を描いたのではないでしょうか。
そして、少女マンガに抒情画の要素を組み込んだ高橋真琴にも、それは受け継がれているように感じます。
真琴の少女についてはまた次回・・・♡