中原淳一の描き出す少女たちの最大の魅力は“まつげ”である、と私は思います。
戦前に活躍したほとんどの抒情画家が、まつげをあまり重視していないのに対し、淳一の描く少女には非常に長いまつげが生えています。
特に、他の抒情画では皆無に等しい下まつげが、淳一の作品ではデビュー当時から重視されています。
下まぶたに垂直にまつげを描き、更に中央のまつげを微妙に長くすることで、視覚的に縦長効果を生み出しているのです。彼女たちは驚くほど長いまつげを持っているにも関わらず、細く無造作に生えているため素顔という印象を与えます。 そんな瞳でどこか彼方を見つめる少女。彼女たちから感じられるセンチメンタリズムは、まさに抒情画という名にふさわしいのではないでしょうか。
一方「ソレイユ」を筆頭にした、いわゆる中原淳一像は、お化粧をした濃く均等なまつげが主流になっています。
それは戦後の淳一が、少女ではなく女性を対象にした雑誌づくりに重点を置いていた故の変化を言えるでしょう。 そんな中、戦前のおもかげを残した少女たちに出会えるのは「ひまわり」だけ♡
ボヘミアンズ・ギルドでは「ひまわり」を多数取り揃えております。 是非ぜひ、ご覧になってくださいませ♡
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