東京ステーションギャラリーで開催中の「パロディ、二重の声 日本の一九七〇年代前後左右」展を観てまいりました。
横尾忠則「POPでTOPを!」1964頃
東京オリンピック・ポスター 1964
手前からピカソ、ルオー、ビュッフェ、リキテンシュタイン、スーラとのことですが、元ネタをよくよく見ると6人目がいちばん奥に顔のみ写っており、横尾さんのポスターにも6人目の顔が描かれているのですが、誰のパロディかよくわかりません。誰でしょう?
会場は撮影可能な部分がたくさんありましたので、一部ですが写真でお楽しみください。
タイガー立石(立石大河亞)「八紘―宇の富士の山」1964/2016
ネオダダの中心人物であった吉村益信「豚;PigLib」1994
原榮三郎「秋山祐徳太子 ポップ・ハプニング『ダリコ』」1970
雑誌「ビックリハウス」「ビックリハウスSUPER」「SUPER ART」「Super Art GOCOO」壮観です。
ところどころ立看が置かれています。(ピンボケ失礼)
このへんの駅貼りポスターは記憶にあります。
倉俣史朗「Homage to Mondrian #1」1975/Cappellini 2009 モンドリアンモチーフのキャビネット 。
青島さん!都政が大変なことになっています。いまこそユーモアが必要です!
長谷邦夫「パロディ・コミック盗作版 色ゲバ」
左から「バカ式」「アホ式」「マヌケ式」。マイコレクションに加えたい、最高なシリーズです。
これらの展示はとても充実したものでしたが、私がいちばん押したいのはこの展覧会の図録です。
革装のようなゴージャスな黒光りする表紙に金の型押しタイトル。ハードカバーではあるのですが、ページが手になじむやわらかい紙のため、図録にありがちのすぐにバイーンと閉じてしまうようなことはありません。それがとてつもなく嬉しい。
内容も作品の一つ一つが丁寧に大きく掲載されていて、会場で見落としていた細かい部分まで良く見ることができるのです。むしろ会場より落ち着いて見られる分、見やすいくらいなのです。ページの真ん中に小さく小さく図版が印刷されたような勿体ぶった感じは全然なくて、とても好感がもてるのです。謙虚さとサービス精神をひしひし感じます。
絶対読まない長い論文もなく、解説も適量です。図録自体も女性にやさしい軽量です。
さらに、製本時に人による手作業が必要になるため、最近はついていないことが多い「しおりひも(正式名スピン)」までついています。図録にひもがついてるなんてありそうでなかったと思いますが、いかかでしょう。図録を作った人たちの愛と心配りが随所に感じられるのです。
後半にはパロディ裁判についてくわしく掲載されています。自分の考えを書くことができるメモ欄にかなりのページが割かれています。そこがいい!世の中には無駄なことなどないということでしょう。また、追加で萩原朔美さんと清水義範さんのインタビューも2本掲載され、立看のことばもすべて収録されてたったの2000円ポッキリ!書店に流通する書籍では実現不可能な低価格!(一般の書店では販売しないという条件で、作品の図版の使用料が安く設定されているため)。お得としか言えない!おもわず5冊くらい買いたくなってしまいます。図録は売り切れてしまったら再版などはほとんど期待できません。一期一会なのです。売り切れたら最後、内容の良い図録は古書価格が高騰してしまいます。この図録は展覧会を観ずに買うことができません(ミュージアムショップのみへの入場が不可のため。通販は可能。)。是非会場へ足をお運び下さい!あ、図録買ったらレジでポスターももらえました。
会期:2017年2月18日(土)―4月16日(日)
- 【休館日】
- 3月20日をのぞく月曜日、3月21日
- 【開館時間】
- 10:00 - 18:00
※金曜日は20:00まで開館
※入館は閉館30分前まで - 【入館料】
- 一般900(800)円 高校・大学生700(600)円 中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
※障がい者手帳等持参の方は100円引き(介添者1名は無料) - 【主催】
- 東京ステーションギャラリー(公益財団法人東日本鉄道文化財団)
- 【特別協力】
- Special Cooperation with Cappellini Point Tokyo_Team Iwakiri Products