こんにちは、鈴木です。
現在、サントリー美術館で開催されている『着想のマエストロ 乾山見参!』展。
本展にちなみまして今回は、尾形乾山をご紹介します。
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尾形乾山は江戸時代の陶工、絵師です。兄に琳派の始祖として知られる尾形光琳をもちます。書物を愛し、若くして隠棲的な生活を送った乾山の作風は自由で素朴、町衆文化に独自の美意識を見出したものです。一方で兄、光琳から学んだ琳派画風を意匠化した雅びな焼物も作り、乾山焼と名付けられます。
また乾山は海外の陶磁のデザインも取り入れ作風の幅を広げています。そんな乾山の陶磁器はどこか愛らしく、現在でも古さを感じさせません。
そして兄、光琳。弟とは対照的に派手に遺産を浪費した遊び人だったようです。乾山と同じく独自の美意識が、琳派に見る絢爛豪華な画風を作り出しています。そんな2人は兄弟合作の作品も多く制作しています。
乾山と光琳、2人の作品を見比べてみるのも楽しいかもしれません。お互いに受け合った影響がどこかに見られるはずです。
ちなみにバーナード・リーチの師匠は六代目尾形乾山です。そしてリーチは日本最大の真贋事件ともいわれる「佐野乾山真贋論争」にも巻き込まれていきますが、この話はまたどこかで。
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「乾山と京のやきもの」展 尾形乾山開窯300年・京焼の系譜
1999年/NHK 少傷み・少ヤケ
尾形乾山手控集成 下野佐野滞留期記録 光琳・乾山関係文書集成
住友慎一/渡邉達也編
1998年/芙蓉書房出版 函少傷み・ヤケ
乾山の芸術と光琳
2007年/出光美術館 カバー
サントリー美術館で行われている展覧会は7/20が最終日なので、見に行きたい方はお早めに。他にも乾山関連また琳派などの江戸美術に関する図録、画集がございますのでお気軽にボヘミアンズ・ギルドにお越しください。
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