今回は、リアリズム(写実主義)の画家たちについてお届けします。
いま、リアリズムが流行っていますよね、僕の中で。
リアリズムとは皆さんご存知の通り、
見たままをありのままに写しとろうとする行為のことです。
スーパーリアリズムとかフォトリアリズムなんて言葉もあるくらいですから、パッと見では絵なのか写真なのか見分けが付きづらいものも多々あります。
じゃあ、カメラを使えばいいんじゃね?と思う方もいるかも知れません。が、それは断じて違います。たわけです。
すごーい、写真みたーい!と言う方もいるかも知れません。が、それも少し違うと思います。しゃがみ弱パンチです。
では、リアリズムの絵と写真の何が違うのか。ピントの合い方云々といったこともありますが、それは一先ず置いときます。
1866年にギュスターヴ・クールベによって「レアリスム宣言」が成され、彼の同朋であるオノレ・ドーミエ、ジャン=フランソワ・ミレーらと共に写実主義を確立していきました。その頃はカメラが世に広まり始めた頃で、彼らは写真を目の敵にしていたといいます。
ギュスターヴ・クールベ カタログ・レゾネ La vie et l’oeuvre de Gustave Courbet catalogue raisonne
Robert Fernier
1977年/La Bibliotheque Des Arts 全2巻揃 仏文 カバー 本体布装カビ・濡れ
クールベは農民など一般の人々の生活を写実的に描きました。農民こそ社会を映すものだということでしょうか。
続いてスペインリアリズムの巨匠、アントニオ・ロペス。
アントニオ・ロペス Antonio Lopez
1993年/Museo Nacional Centro de Arte Reina Sofia 英・西語版 カバー
スペインの街並みと、それらを包むやわらかい光が緻密に描かれています。
彼は1枚の絵を描き上げるのに10年近くかけることもあるそうです。
カメラのシャッターを10年間も開きっぱなしにすると、一体どんな写真が取れるのでしょうか。
もちろん日本にも写実画家はたくさんいます。
これは有名な高橋由一の『鮭』ですね。
食欲むき出しな感じがでてます。油が乗っていてとても美味しそうです。絵に描いた餅ならぬ鮭です。
写真は実物がないと撮れませんが、絵なら描くことが出来ます。
他にもロペスと親交の深い野田弘志や磯江毅、諏訪敦、森本草介などがいます。
野田弘志 写実照応
野田弘志
1994年/求龍堂 カバー 帯
森本草介画集 求龍堂グラフィックス
森本草介
1995年/求龍堂 カバー
2010年にはホキ美術館という写実絵画専門の美術館もできました。
なかなかに僻地なので未だに行けていません。
ホキコレクション
野田弘志/森本草介/諏訪敦他
2011年/ホキ美術館
というわけで、今回はリアリズムについてご紹介してきました。
写真と絵画の違いは由々しき問題ですが、それぞれにしか表現できない良さがあります。やっぱり実際に自分の目で感じてみるのがいいですね。
矢野
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