千葉市美術館で開催されている「赤瀬川原平の芸術原論 1960年代から現在まで」に行ってきました♪
赤瀬川原平……知ってるようで知らない作家。
ざっくりとしたイメージはあるけれど、誰かに説明しろと言われると自信がない、そんな作家でした。
だからこそと行ってみた今回の展覧会。
前衛美術、漫画、小説、写真といった様々な分野の赤瀬川作品が展示された見応えあるものでした。
赤瀬川原平といえば「千円札裁判」。
千円札を模写して訴えられた……正直そこまでの知識しかありませんでした。
今回の展覧会で、千円札裁判の全貌が見えてすっきりしたのでご紹介したいと思います。
1963年、赤瀬川は展覧会の案内状に千円札を印刷したり、拡大図を作るなどして、積極的に自分の作品に「千円札」のモチーフを使っていました。
そのことが警察に知られたのは、別件で押収された書籍に「千円札」をモチーフにした作品が掲載されていたからです。
ちょうどその頃、世間では偽札事件が発生。そのことも関連し、やがて「通貨及証券模造取締法」に問われてしまいます。
この裁判では、瀧口修造、中原祐介、針生一郎が特別弁護人になりました。彼らを筆頭に、数多くの美術家が赤瀬川の弁護にまわり、様々な芸術作品を裁判所に並べて「芸術とは何か」ということを示し、赤瀬川の「模型千円札」が芸術作品であるということを訴えました。
にも関わらず、この裁判は5年以上も続いて、最終的に有罪となってしまったそうです。
結果はともあれ、この時代の芸術家たちの勢いが充分に伝わったエピソードですよね。
事件後初の展示作品が、りんごのみを描いた絵二枚ということが、正に赤瀬川の快挙と言えるのではないでしょうか。
なぜならば、その理由が法律に違反せず描けるものは最早りんごぐらいだ、と言うのですから。
「千円札は誰もが日常的に目にし、触れているものなのに、お札に描かれた図柄などを誰も見ていない盲目的なものである」といったような赤瀬川原平のことばが書かれていました。
たしかに、毎日のように目にしている千円札なのに、図柄は全然見ていない……!
近すぎると見えないものって沢山ありますよね、分からなくなったら離れて見るのもいいかもしれませんね。
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