今回はゲオルグ・バゼリッツをご紹介します。
東ドイツ出身の画家、ゲオルグ・バゼリッツはアンゼルム・キーファーやフランチェスコ・クレメンテなどと、新表現主義(ニューペインティング)のひとりとして数えられます。バゼリッツは60年代後半、絵画全般がもつ文学的解釈、意味性を自らの作品から取り除くことに努めました。そして1969年以降、バゼリッツは主題をすべて逆転して描くという解決法を打ち出しました。彼は、肖像、裸体、鷲、風景などをすべてこの方法で描きました。このような、ドイツにおいてすべて伝統的でそれ以上の意味を用い得ないモティーフを選ぶことで特別な意味性を排除しました。上下逆転した人物像からは現実的なイメージを与えることはなく、野性的な色彩や形態にまず目がいきます。視点を変えることで頭で処理をする瞬間を逃し、そこには芸術本来の楽しみ方が存在します。メッセージ性や意味性を考えることなく、そこに存在する絵画そのものの重要性を感じることの出来る芸術家のひとりです。
ゲオルグ・バゼリッツ Georg Baselitz: La Grande Notte in Bianco
2008年/Gagosian Gallery 伊語版
ゲオルグ・バゼリッツ Georg Baselitz: The Turning Point, Paintings 1969-71
2004年/Gagosian Gallery 英語版
ゲオルグ・バゼリッツの書籍は他にもまだ在庫ございますので、サイトでご覧になるか店頭で直接ご確認ください。
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