美術家、グラフィックデザイナー、絵本作家、教育者などなど……さまざまな顔を持つブルーノ・ムナーリ。
今回は、そんなムナーリの絵本のしごとについてご紹介したいと思います♪
18歳の時、イタリアの前衛運動のひとつである「未来派」の活動に参加していたムナーリ。
はじめての絵本「ワシのひな」(挿絵)の表紙は航空絵画、バリバリの「未来派」です。
機械の発展した近代社会のスピード感がでてますよね!
また、レオ・レオニもムナーリと同じく後期未来派の活動に参加していて
二人はここで交流を持ちます。
「ワシのひな」から10年程経った1940年代には、少年少女向けの学習書「空気、水、大地、世界」を皮切りに様々な絵本を出版しました。
こちらは1942年に出版された「ムナーリの機械」。
これは……
“学生時代、友人たちを笑わせようと思って、ただそれだけの理由で、描いたものである”
だそうです。
ムナーリの思惑通り、思わず笑ってしまう「ムナーリの機械」をひとつご紹介~♪
『シャンパンボトルの底に穴を開ける機械』
①鳩時計の時間セット
②時計の窓からハトが飛び出す
③飛び出したハトを見て驚くウサギ
④驚いたウサギが持っていた小包を落とす
⑤小包が網の中に落ちる
⑥網は柄の真ん中に付けたクリップを支点にして弾む
⑦弾んだ網の柄の端が動いて拳銃の引き金を引く
⑧拳銃から弾丸が発射!
⑨弾丸がシャンパンボトルの底に命中して穴が空き、シャンパンがグラスに注がれる
と、こんな具合にユーモアたっぷり機械たちが描かれています。
気持ちが落ち込んでいる時、オススメの一冊!
続いてはしかけ絵本です♪
息子アルベルトが5歳になったとき、ムナーリは絵本を探します。(字が読めるようになったんですね!)
ですが、おもしろい絵本が見つかりませんでした……。
第二次大戦直後なので、数も少なかったのだと思います。
そこでムナーリ、なんと自ら絵本を10冊も作ってしまったんです。
しかもすべて“しかけ絵本”という、なんとも素敵なお父さんです!
1945年には、その10冊のうちの7冊がモンダドーリ社から出版されました。
モンダドーリ社発行の絵本シリーズ、ボヘミアンズ・ギルドに3冊入ってきました〜☆
「il prestigiatore verde」はマジシャンのお話。
紺地っていいですよね♪どの色もパッと映えてます!
つづいて「il venditore animali」はどうぶつやさん。ペットショップとは少し違いがありそうですね。
けむしやらコウモリやら、ちょっとおかしな動物をひもで繋いじゃっています。
そして最後は「storie di tre uccellini」。
三原色のかわいい鳥ちゃんのお話です♪
夏目書房、ボヘミアンズ・ギルドでは、他にもムナーリの書籍多数取り揃えています。
ご興味のある方はご覧になってみて下さい!